「ポートフォリオはできました。でも案件が来ません」。無料カウンセリングで、独学や他スクールで学んできた方からこの相談を受けない月はありません。作品を見せてもらうと、出来には正直、差があります。高度なJavaScriptの動きや目を惹くデザインまで作り込めた作品は、並んだポートフォリオの中で明らかに違って見えます。技術力は、それ自体が差別化です。
そのうえで、案件が来ない原因は2段階で考えてください。1段階目は、他と差がつく水準まで作り込めているか。足りなければ学習で上げるしかありません。2段階目は、よくできた作品なのに来ないケースで、原因は作品ではなく設計にあります。「作れば来る」という前提そのものが違っていて、ポートフォリオは飾って待つ名刺ではなく、こちらから届ける提案に添える判断材料です。副業の始め方の順番をそこで間違えると、どれだけ作り込んだ作品でも仕事につながりません。
最初に断っておくと、この記事もWeb制作スクールの運営者が書いています。当校の添削とカウンセリングで見てきた「来ないポートフォリオ」の共通点をそのまま書くので、どこで学んでいる方にも使える内容のはずです。
ポートフォリオを作ること自体は正しい判断です。間違いが起きるのは、その先の設計です。
カウンセリングに来る方が読んできたという「始め方」記事の手順は、ほぼ共通しています。学習する、ポートフォリオを作る、応募サイトに登録して応募する。この手順は「応募して、選ばれるのを待つ」前提で書かれています。待つ設計のなかでは、あなたのポートフォリオは大量の応募の中の1枚です。実績ゼロの人が、実績のある応募者と同じ列に並んで選ばれるのを待つ。ここが、作っても来ない構造の入り口です。
当校が教えているのは待たない設計です。発注者になりそうな相手へ、こちらから提案を届ける。クラウドソーシングに依存しない直接提案のやり方で、道のり全体は副業からフリーランスへの解説記事に書いています。この前提に立つと、ポートフォリオの役割が変わります。「見つけてもらうための名刺」ではなく、「提案文と一緒に届ける、任せられるかどうかの判断材料」。役割が変われば、作るべき中身も変わります。まず、来ないポートフォリオの共通点から見ていきます。
カウンセリングと添削で見てきた「作ったのに来ない」ケースは、ほぼ次のどれかに当てはまります。
作って、URLをプロフィールに載せて、待つ。一番多いのがこれです。相談で最も多い質問は「何本作れば案件が来ますか」ですが、この質問の前提がすでに待ちの発想です。ポートフォリオは見られて初めて機能します。届ける手段(提案)を持たないまま本数を増やしても、閲覧ゼロが続くだけです。10本近く作り込んだのに1件も問い合わせがない、という方の相談を受けたことがあります。聞けば、作品づくりに充てた期間は半年分。作品は良かった。だからこそ、その半年の半分でも提案に回していたらと、聞いていて惜しくなりました。
趣味の情報サイト、架空の多機能アプリ。技術的には立派でも、たとえば美容室のオーナーはそこから「うちの店のサイトを頼めるか」を判断できません。発注者は作品を鑑賞しているのではなく、自分の仕事の完成予想図として見ています。予想図にならない作品は、どれだけ凝っていても判断材料になりません。学習の集大成として作りたいものと、受注のために見せるものは、分けて考える必要があります。
当校の添削で講師が最初に確かめるのは、実は作品そのものではありません。「この構成にした理由を説明してください」への答えです。ここで止まる作品は提案文に落とせず、発注者との会話にも耐えられません。特にスクールの卒業制作を「作らされたまま」出しているケースでは、色・レイアウト・導線の理由を質問された瞬間に詰まります。発注者にとって説明のない作品は、修正を頼んだときに何が返ってくるか分からない不安材料です。
発注者は採用担当者ではありません。技術一覧を読み解く知識もありません。見ているのは次の4点です。
| 見るポイント | 発注者の頭の中 | ポートフォリオ側で示すもの |
|---|---|---|
| 仕事の水準か | お金を払う品質だろうか | 実在の企業サイトと並べて見劣りしない作り |
| 自分の用途に頼めるか | うちの業種・目的で頼めるだろうか | 発注者の業種・目的に寄せた題材 |
| 成果につながりそうか | 頼んだら売上や集客に効きそうか | 予約・問い合わせ・購入など目的から逆算した導線と、その説明 |
| やり取りできる相手か | 説明が通じるか、修正を頼めるか | 設計意図と対応範囲の説明文 |
水準の面で補足すると、スクロールに合わせたアニメーションのような高度なJavaScriptの動きや、目を惹くビジュアルは大きな差別化になります。世の中のポートフォリオの多くは静的な模写で止まっているため、動きまで作り込んだ1本は、並んだ瞬間に目立ちます。そして発注者が最後に欲しいのは「かっこいいサイト」ではなく自分の売上や集客です。目を惹く技術と、成果につながる導線。この2つが揃った作品は、それだけで候補の上位に入ります。
使用技術のリストやGitHubのリンクは、エンジニア採用の文脈では効きますが、副業の最初の発注者になる店舗オーナーや小さな会社の担当者には読めません。相手が読めるもので判断材料を揃える。実務支援の解説記事のFAQに書いた「ポートフォリオは必要条件であって十分条件ではない」の中身が、この4点です。
作り方は、受注から逆算した順番に置き換えるだけです。
この順番で作ると、ポートフォリオと提案文の内容が最初からつながります。逆に、ステップ4の前で止まって完成度を磨き続けるのが定番の失敗です。やり切ってから判断するための撤退ラインは「プログラミング副業はやめとけ」を検証した記事に書きました。
要点を置いておきます。
作りかけのポートフォリオを、当校の無料カウンセリングに持ち込んでもらって構いません。発注者の目でどう見えるか、どの業種に寄せると提案につながるかを、その場で一緒に見立てます。
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「自分にできるか不安」「まずは何をすればいいの?」
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