今から学ぶならどっち?
実務で求められるJavaScriptとjQueryの使い分けと業界の需要

今から学ぶならどっち?実務で求められるJavaScriptとjQueryの使い分けと業界の需要

目的別の答え・同じ処理を並べた対訳コード3例・jQueryをどこまで読めればよいかの線引き・一次データで見る2026年10月時点の需要

今から学ぶなら、JavaScriptです。jQueryはJavaScriptで書かれたライブラリ(よく使う処理を短く書くための道具)で、別の言語ではありません。実際の問いは「jQueryにどこまで時間を使うか」です。

答えは目的で分かれます。Web制作なら、到達点は「素のJavaScript(ライブラリなしで書くJavaScript)で書けて、jQueryは読める」。Webアプリ開発なら、jQueryに時間を使う必要はありません。

「読める」まで残す理由は数字にあります。W3Techsの調査では、2026年10月5日時点で全Webサイトの65.5%がjQueryを使っています。書く場面は減り、動いているコードを読んで直す場面が残っています。

何をどの順で学ぶかはJavaScript独学ロードマップの学習4ステップに譲り、この記事は次の5つを書きます。

  1. 目的別の答えと、学ぶ順番の2つのルート
  2. 同じ処理を両方で書いた対訳コード3例
  3. jQueryを「どこまで読めればよいか」の線引き
  4. 新規・改修・WordPressでの使い分け
  5. 一次データで見る2026年10月時点の需要

目的別の答え|書くのはJavaScript、jQueryは読める

Web制作志望は「素のJavaScriptで書ける+jQueryが読める」、アプリ開発志望は「JavaScriptだけ」が答えです。

目的 書けるようにするもの jQueryの扱い 理由
Web制作
(企業サイト・LP)
素のJavaScript(基礎文法と、要素を選んで変えるDOM操作) 読める。既存コードに合わせて数行直せる 既存サイトの改修とWordPressで出会う
Webアプリ開発 JavaScriptを深く。その後フレームワーク 学ばない。出会ったら調べる 新規のアプリ開発では出番がほぼ無い

学ぶ範囲の違いはロードマップの「分岐点」の章に、職種の違いはコーダーとフロントエンドエンジニアの違いの記事にあります。

「Web制作ならjQueryから」と勧める解説も多く、入口としては成立します。当校のカリキュラムも、最初の動的サイトはjQueryで作ります。そのうえで、この記事が到達点を素のJavaScript側に置く理由は2つです。

  • 読み替えが一方通行: 素のJavaScriptで書ける人は、対応表があればjQueryを読めます。逆向きは、要素が無いときの挙動などで止まります(線引きの章の後半)
  • エラーを読むのはJavaScript: jQueryのコードが止まったときも、Consoleに出るのはJavaScriptのエラーです

学ぶ順番は2通りある

ルートAは、素のJavaScriptで実装まで進み、最後にjQueryの読解を足す順です。独学にはこちらを勧めます。ロードマップの「④既存コードの読解」の題材にjQueryを選べば、別枠の時間は要りません。

ルートBは、jQueryで先に動くものを作り、同じものを素のJavaScriptで書き直す順です。画面が早く動き、手応えを先に得られます。独学では書き直しが飛ばされがちなので、書き直しまでを1セットにしてください。すでにjQueryから学び始めた方は、このルートの途中にいます。

通過の判定は同じで、次章の対訳3例のjQuery側だけを見て、素のJavaScript側を自分で書けるかです。Reactへ先に進むか迷う方は、ロードマップのパターン3を読んでください。

同じ処理を並べて読む|素のJavaScriptとjQueryの対訳3例

Web制作でよく書く3つの処理を並べると、3例ともjQueryのほうが2行短く書けます。書き方そのものが変わるのはアニメーションだけです。

例1: クラスの付け外し(ハンバーガーメニュー)

// jQuery
$('.js-menu-btn').on('click', function () {
  $('.js-nav').toggleClass('is-open');
});
// 素のJavaScript
const menuBtn = document.querySelector('.js-menu-btn');
const nav = document.querySelector('.js-nav');

menuBtn.addEventListener('click', () => {
  nav.classList.toggle('is-open');
});

どちらも「ボタンを選ぶ→クリックを待つ→ナビのクラスを切り替える」の3手です。

例2: クリックで開閉(よくある質問のアコーディオン)

// jQuery
$('.js-faq-q').on('click', function () {
  $(this).next().slideToggle(300);
});
// 素のJavaScript
document.querySelectorAll('.js-faq-q').forEach((question) => {
  question.addEventListener('click', () => {
    question.nextElementSibling.classList.toggle('is-open');
  });
});
/* 素のJavaScript側のCSS(回答 .faq-a の中身は div でもう1重包む) */
.faq-a { display: grid; grid-template-rows: 0fr; transition: grid-template-rows 0.3s; }
.faq-a.is-open { grid-template-rows: 1fr; }
.faq-a > div { overflow: hidden; }

slideToggle()に当たる1行は、素のJavaScriptにありません。jQueryは高さの変化をJavaScriptで計算し、素のJavaScript側は動きをCSSのtransitionに任せます。高さautoへのtransitionはMDNが避けるよう書いているため、グリッドの行を0frから1frへ変えています(Chrome 107・Firefox 66・Safari 16以降。MDNの互換性表)。

jQuery側のCSSは別で、回答をdisplay: noneで隠しておきます。上のCSSのままjQuery側を動かすと、検証では何度クリックしても開きませんでした。

例3: スムーススクロール(ページ内リンク)

// jQuery
$('a[href^="#"]:not([href="#"])').on('click', function (event) {
  const target = $($(this).attr('href'));
  if (!target.length) return;
  event.preventDefault();
  $('html, body').animate({ scrollTop: target.offset().top }, 500);
});
// 素のJavaScript
document.querySelectorAll('a[href^="#"]:not([href="#"])').forEach((link) => {
  link.addEventListener('click', (event) => {
    const target = document.querySelector(link.getAttribute('href'));
    if (!target) return;
    event.preventDefault();
    target.scrollIntoView({ behavior: 'smooth' });
  });
});

jQueryはanimate()でスクロール位置を動かし、素のJavaScriptはscrollIntoView()に任せます。単純なページ内リンクなら、CSSのhtml { scroll-behavior: smooth; }だけで足ります。:not([href="#"])は、href="#"だけのリンクがどちらの書き方でもセレクタのエラーになるのを避けるためです。

差が2行なら、行数は選ぶ決め手になりません。jQuery公式も4.0.0のリリース記事で、アニメーションはCSSとクラス操作の組み合わせのほうが簡単なことが多いと書き、通信とアニメーションを除いた軽量版(slim版)を配布しています。

jQueryは「どこまで読めればよいか」の線引き

線は、下の対応表を読み替えられることと、50行程度のコードを説明して1箇所直せることの2本です。白紙から書けるところまでは求めません。

jQueryの書き方 意味 素のJavaScriptでは
$(function () { … }) HTMLの読み込み後に実行 DOMContentLoadedイベント
$('.item') 条件に合う要素をすべて選ぶ document.querySelectorAll('.item')
.on('click', …)
.click(…)
イベント時の処理を登録 addEventListener('click', …)
.addClass() .removeClass()
.toggleClass() .hasClass()
クラスの付け外しと確認 classListのadd() remove() toggle() contains()
.text() .html() .val()
.attr() .css()
文字・入力値・属性・スタイルの読み書き textContent innerHTML value setAttribute() style
.find() .closest()
.parent() .next()
起点の要素から周りをたどる querySelectorAll() closest() parentElement nextElementSibling
.each(…) と $(this) 1つずつ処理/処理中の要素 forEach() とその引数。イベント内は event.currentTarget
.fadeIn() .slideToggle()
.animate()
アニメーション 1行の対応は無い。クラス+CSSで書く

確かめ方は次の3つです。

  • 対応表の各行が、素のJavaScriptの何に当たるかを言える
  • 50行程度のコードを読み、「どの要素に」「いつ」「何をしているか」を説明できる
  • セレクタ・クラス名・速度の数値を変えて、意図どおりに動きを変えられる

2つ目は、ロードマップの卒業判定チェックの5項目めを、jQueryのコードで試すものです。プラグインの自作、$.ajax()の通信、jQuery UIは線の外に置き、出会った時点で公式ドキュメントを引きます。

対応表では埋まらない4つの差

1行ずつ読み替えられても、挙動の違いで止まる箇所が4つあります。

// 差1: 要素がページに無いとき
$('.js-nav').addClass('is-open');                           // jQuery: エラーは出ない
document.querySelector('.js-nav').classList.add('is-open'); // 素のJavaScript: 止まる
// Uncaught TypeError: Cannot read properties of null (reading 'classList')

差1は、トップページにしか無い要素への処理を全ページ共通のファイルに書いている場合に出ます。素のJavaScriptへ書き直した途端、下層ページでスクリプト全体が止まります。if (nav) { … }で囲めば防げます。

差2は、$('.js-nav')が返すのはjQueryオブジェクトで、DOM要素ではない点です。classListは使えず、$('.js-nav')[0]と中身を取り出せば使えます。差3はアロー関数です。functionをアロー関数へ置き換えると、中の$(this)がクリックされた要素を指さなくなります。

差4はWordPressです。同梱のjQueryはnoConflictというモードで読み込まれ、$がそのままでは使えません(WordPress公式リファレンスのユーザー投稿ノート)。静的サイトのコードをテーマへ移すと$ is not a functionと出るのはこのためで、全体をjQuery(function ($) { … });で囲めば解決します。

実務での使い分け|新規・改修・WordPressの3場面

新規は素のJavaScriptを基本にする、jQueryで統一された既存サイトの改修はjQueryに合わせる、WordPressは同梱のjQueryを前提に判断する。

場面 書くもの 判断の理由
新規サイト 素のJavaScriptを基本にする。スライダーなどは依存のないライブラリから探す 対訳のとおり差は2行。jQuery前提のプラグインを使うなら読み込む(Splideは依存なし)
jQueryで組まれた既存サイトの改修 jQueryに合わせる 流儀が混ざると次に触る人が読みにくい。前章の4つの差も踏みやすい
WordPressのテーマ 自作部分は素のJavaScriptでよい。プラグインがjQuery前提なら外さない WordPress本体がjQueryを同梱している

改修で手を付ける前に確認する3つ

  1. バージョン: 検証ツールのConsoleにjQuery.fn.jqueryと打つと"3.7.1"のように返ります(jQuery APIドキュメント)。1系・2系は公式サポートが終わった版です
  2. slim版かどうか: 読み込むファイル名にslimが入っていれば、.animate() .slideToggle() $.ajax()は使えません
  3. プラグインへの依存: スライダーのslick(jQuery 1.7以上が前提)のようなプラグインがあれば、jQueryを外す改修は別の規模の話になります

改修のついでにjQuery本体を上げるのは避けてください。4.0.0では$.trim()や$.isArray()などが削除され、これらを使う古いコードは止まります。上げるなら公式のアップグレードガイドに沿った別作業として見積もります。

WordPressは本体にjQueryを同梱しています(Theme Handbook)。2026年10月時点の最新版7.1.2に入っているのは3.7.1で、4系ではありません(公式リポジトリのscript-loader.php)。

業界の需要|一次データで見るjQueryの現在地

jQueryは「いま動いているサイト」に多く残り、「これから書く人」の間では少数派です。需要は新規の実装ではなく、読解と改修の側にあります。数字は2026年10月5日に確認しました。

指標 数字 出典
jQueryを使うWebサイト 全Webサイトの65.5% W3Techs(2026年10月5日)
そのバージョン内訳 3系78.7%・1系17.1%・2系4.2% 同上
過去1年にjQueryで
開発した開発者
回答者全体の23.4%、学習中の人では13.8% Stack Overflow Developer Survey 2025
jQueryの最新版 4.0.0(2026年1月17日公開) jQuery公式ブログ
公式サポートの範囲 4系が現行。3系は重大なセキュリティ修正とバグ修正のみ。1系・2系は終了 jQuery公式 Version Support

65.5%は在庫の数字です。W3Techsが数えているのは公開中のサイトで、これから作るサイトの採用率ではありません。母集団が違うので単純には比べられませんが、サイトのおよそ3分の2に残る一方、過去1年に開発で使った人は4人に1人弱です。

内訳では、公式サポートが終わった1系と2系が合わせて21.3%、jQueryを使うサイトのおよそ5件に1件です。4.0.0は公式が「ほぼ10年ぶりのメジャーバージョン」と書くリリースで、開発は止まっていません。

求人件数は根拠にしていません。jQuery単独の需要を切り出せる一次データを確認できなかったためです。

「jQueryが読める」は改修案件の入口を塞がないための条件で、選ばれる理由にはなりません。選ばれる理由は、目を惹く動きを高度なJavaScriptで組めることと、それがクライアントの問い合わせや売上につながることです。AI時代にコーダーへ何が残るかはコーダーの将来性とAIの記事に書いています。

当校の場合|最初の動的サイトはjQuery、極めるのはJavaScript

AddedPallasの5段階カリキュラムは、STEP2で「JavaScript(jQuery含む)」を使った動きのあるサイトを作り、STEP4でJavaScriptを駆使した複雑な動きやシステムに進みます。同じページの説明は、jQueryが「簡単に使用できるのでまずはこれで動的サイトを作ります」、JavaScriptが「高度なレベルまで極めていただきます」です。jQueryで先に動くものを作る点はルートBの前半と同じで、行き先はJavaScript側にあります。詰まった行はチャットで質問できます(回数無制限、フィードバックは1営業日以内。サポート体制)。

よくある質問

JavaScriptとjQueryは、今から学ぶならどっちですか?
JavaScriptです。jQueryはJavaScriptで書かれたライブラリなので、二択ではありません。Web制作志望なら素のJavaScriptで書けることを軸に、jQueryは読める状態までで足ります。Webアプリ開発志望なら、jQueryに時間を使う必要はありません。
JavaScriptとjQueryの違いは何ですか?
JavaScriptはブラウザが直接実行するプログラミング言語、jQueryはその言語で書かれたライブラリです。要素を選ぶ、クラスを付け外すといった処理は、2026年時点ではどちらでも数行で書け、差は2行ほどです。
jQueryはオワコンですか?
開発は続いていて、2026年1月17日に最新版の4.0.0が公開されました。W3Techsの調査では、2026年10月5日時点で全Webサイトの65.5%が使っています。ただし新規で選ぶ理由は減り、出会うのは主に既存サイトの読解と改修です。
jQueryを使わないで、Web制作の仕事はできますか?
新規サイトは素のJavaScriptだけで作れます。一方、jQueryで組まれた既存サイトの改修や、jQueryを同梱しているWordPressの案件では、jQueryを読む場面があります。読んで1箇所直せる状態にしておけば、受けられる範囲が狭まりません。

まとめ|書くのはJavaScript、jQueryは読んで直せるまで

  • Web制作志望は「素のJavaScriptで書ける+jQueryが読める」、アプリ開発志望はJavaScriptだけ
  • 読める線は、対応表の読み替えと「50行を説明して1箇所直せる」こと。4つの差は対応表の外にある
  • 新規は素のJavaScriptが基本、既存サイトはjQueryに合わせる。改修前にバージョン・slim版・プラグイン依存を確認する
  • 全Webサイトの65.5%にjQueryが残り、うち21.3%はサポートが終わった版。需要は読解と改修の側にある

Web制作とアプリ開発のどちら寄りか決めきれない方は、無料カウンセリングで作りたいものと、いま読んでいるコードを教えてください。どこまでを学ぶ範囲に入れるかを一緒に決めます。

この記事を書いた人

AddedPallas編集部
実務特化型オンラインプログラミングスクール「AddedPallas」(運営: 株式会社SynerCreate)の編集チーム。受講生の学習データとカウンセリングで寄せられる相談をもとに、未経験からWeb制作・プログラミングで収入を得るための情報を発信しています。

監修: AddedPallas 現役エンジニア講師(サポート体制はこちら)
Web制作・フロントエンド開発の実務と並行して受講生の指導を担当。本記事の対訳コード・読める範囲の線引き・改修時の確認手順は、Web制作の実務と受講生指導の経験に基づいて監修しています。

制作プロセスについて: 本記事は編集部が執筆し、現役エンジニア講師が内容の正確性を監修しています。利用率・バージョン・サポート状況は2026年10月5日に各公式サイトと調査元で確認した値で、以後変わる可能性があります。コード例はjQuery 4.0.0と3.7.1、Chromium系ブラウザで動作を確認しました。学ぶ順番や線引きは当校の運営上の見立てで、成果を保証するものではありません。本記事はスクール運営者が執筆しています。

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